高齢者の8020運動について!|伊藤おとなこども歯科|交野市星田北の歯医者

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歯科コラム

高齢者の8020運動について!|伊藤おとなこども歯科|交野市星田北の歯医者

高齢者の8020運動について!

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「8020(ハチ・マル・ニイ・マル)運動」とは、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動のことです。

1989年に当時の厚生省と日本歯科医師会が提唱したものです。

運動が開始された当初、8020の達成率はわずか7%しかありませんでした。平均残存歯数は4~5本しかありません。

しかし、その後は「8020運動」への意識が高まり、2016年には達成率が50%を超えるようになりました。

 

残っている歯の数が19本以下になると要介護になるリスクが高まるといわれています。

「8020運動」達成者のほうが、QOL(生活の質)が良好で寿命が長いともいわれ噛むことの大事さをしめしています。

今回は、「8020運動」を紹介するとともに、噛むことと健康の関係をくわしく解説していきたいと思います。

 

なぜ「80歳」で「20本」以上の歯を目指すのか?

まず、「8020運動」における、「80」と「20」という数字の意味を理解しておきましょう。

「80」は「80歳」ではなく、「生涯」の意味

「8020運動」が提唱された1989年当時の日本人の平均寿命は、男性75.9歳、女性81.8歳。男女合わせた平均寿命は約80歳でした。

つまり、「80」とは具体的な年齢を示す数字ではなく、「生涯」という意味で用いられた数字ということです。

令和元年の日本人の平均寿命は男性81.4歳、女性87.4歳まで伸びてきており、「8020運動」が提唱された当時より5年以上も長くなっています。

80歳はいわば通過点。そのため、「8020運動」の本来の趣旨に立ち返ると、「80」という数字にこだわるのは適当とはいえなくなってきています。


 

噛むことと健康の関係

 

「噛むことは健康に良い」とよくいわれますが、具体的にどのようなメリットがあるのか❔ここでは、噛むことが健康におよぼす具体例をいくつか紹介していきたいと思います。

歯と口の健康を守る

噛む回数が増えると、唾液の分泌量が増えます。唾液が増えることにより口の中を清潔に保ち虫歯や歯周病を防ぐ働きがあります。「噛むこと=歯と口の健康を守ること」に繋がります。

口まわりの筋肉の衰えを防ぐ

噛むことは口のまわりの筋肉を鍛え、衰えを防ぐことにもつながります。よく噛んで口まわりの筋肉を使うと舌の動きもよくなり、表情や発音なども良くなります。

認知症予防につながる

口を開閉すると脳に酸素や栄養が送られ、脳細胞が活性化するといわれています。また、歯がほとんどなく入れ歯(義歯)を使っていない人は、義歯を使用している人や歯が20本以上残っている人に比べて認知症になるリスクが高いことが明らかになっています。

しっかり噛むことにより脳からドーパミンというホルモンが刺激され出てくることにより認知症予防と関連してきます。よって、しっかり噛む機能を維持することは認知症予防の効果が期待できる事に繋がります

転倒リスクが減る

しっかり噛むことができると、踏ん張りが効くようになるため転倒のリスクが少なくなると言われています。歯を食いしばることができれば全身に力を入れることができるようにもなり、体力の向上も期待できるので運動能力が上がると言われています。

肥満を防ぐ

食べ物をよく噛むと満腹感が得られやすくなるため、食べすぎを予防できます。結果として太りにくくなり、肥満の予防になり健康につながります。

消化が良くなる

食べ物をよく噛むと消化が良くなるため、胃腸への負担が少なくなるうえに、よく噛むと栄養の吸収も良くなると言われています。

 

 

歯の数だけでない、「オーラルフレイル」とは❔

「8020運動」の達成率が高くなってきたことから最近は歯の残数だけではなく、オーラルフレイルの予防も大事になってきています。

「オーラルフレイル」とは、歯と口の働きの衰えのことを意味します

おもな症状として、下記が挙げられます。

  • 硬いものが噛めなくなってきた
  • 食べこぼしが多い
  • むせやすい、吐き出せない
  • 滑舌が悪い、舌が動きにくい
  • 口の中が乾きやすい、唾液の減少

オーラルフレイルは病気ではありませんが、放置すると栄養状態の悪化や筋力の低下を招き、介護が必要な状態に繋がります。

その一方、気付いたときに早めにケアすれば、もとの健康な状態に戻していく事も可能です。

オーラルフレイルを予防するためには、口腔内の定期的なチェックが必須になってきます。かかりつけの歯科医院がある場合は、定期的に受診して口と歯の健康状態を確認し経過を長期にわたって診ていくことををおすすめしています。

多くの方は歯科医院を「歯が痛くなったら行くところ」と考えているようですが、実際は「口腔内の健康を保つために定期的に受診するところ」です。

痛くなってからでは抜歯になったり遅い時がほとんどです。定期健診、早期治療により歯を残していき8020を達成していきましょう!