ヘミセクション、トライセクションとは？
- 2023年4月7日
- 口腔外科
歯の治療で、ヘミセクション、トライセクションという方法があります。
簡単に言うと、抜かなければいけない歯を抜かずにダメになっている根っこだけ取り除くような外科治療です。詳しく説明していきます。
ヘミセクションは、複数の根っこのある歯を分割して悪いところを取り歯を残す処置です。
ヘミセクションとは奥歯には複数の根っこがある歯があります。もし、その根っこのうちのどれかが大きなダメージを受けてしまっていて、治療不可能だったとしても、その他の根っこが問題なければ悪い根っこだけを取り除き、他は残すようにします。
例えば、根っこが2本ある歯に関して、手前の根っこがひび割れで治療不可能だったとしても、状況によっては後ろの根っこのみを残して歯として機能させられる、この治療法をヘミセクションと言われています。
もちろん、歯の根っこの数が減ってしまうので、噛む力を支える能力は下がってしまいます。ただ歯を1本抜いてしまうと噛む力を支える能力は当然無くなりますし抜いた後の次の治療が難しくなります。
出来るだけ、ご自身の歯を残すという意味では、良い治療法と言えます。
歯根が３本ある歯に対して悪い根っこだけを除去する外科処置を、トライセクションと言います。 上顎の大臼歯は多くの場合歯根が３本あり、歯根を分割する場合はトライセクションを行うこととなります。
＜治療の流れ＞
まずは残す予定の根っこの根管治療を済ませていきます。
その後、抜去する予定の根っこを削り切断し抜去します。
ただ注意点として、、
この処置を行った後の１０年予後では３８％が根っこの破折により抜歯となるという報告があるように予後は良くありません。
大臼歯部は咬み合わせの強い力がかかる所なので、一つの根っこがなくなるだけでかなりの負担が残った根っこに受けることになりますので、かみ合わせに関しては特に術後の定期的な観察が必要になります。
ケースによりますが、、、
どうしても抜きたくない！
最大限使えるだけ自分の歯を使いたい！
など色々なお悩みがある方は、まずはしっかりした診断をしたのちに治療判断をさせていただけたらと思います。是非お気軽にご相談ください😊