歯周外科
歯周外科
他院で、この歯は残せない、抜くといわれた歯を最大限残していく治療方法を提案させてもらい相談させていただきます。
歯を残したい・抜きたくないというお悩みの患者様は何でもお気軽にご相談ください。
歯周病は、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)から侵入した細菌によって引き起こされる感染性の炎症性疾患であり、歯周組織(歯肉・セメント質・歯根膜・歯槽骨)を破壊します。初期の段階であれば、歯の表面を清掃することで組織の炎症をなくすことができますが、自覚症状に乏しく、歯の動揺や歯肉からの出血に気づいたときには、歯槽骨の吸収(欠損)などの破壊が進行していることがあります。中等度から重度になると、歯周基本治療(プラークコントロール、スケーリング、ルートプレーニング)では改善しない深い歯周ポケットや、歯根深部の大量の歯石、複雑な歯槽骨の欠損などがみられることが多くあります。その場合、歯周外科手術が必要になることがあります。
歯周外科手術では、局所麻酔下で歯肉を切開してめくり、歯根や歯槽骨を見える状態にして、確実に歯石やプラークを除去します。また、でこぼこした歯槽骨を整形したり、歯周ポケットを減らしたりして清掃しやすい環境に整えます。症例によっては失われた歯周組織を再生させる歯周組織再生療法が行われることもあります。
再生によって歯周組織の健康が回復すると歯周ポケットは浅くなり、歯の寿命が延伸します。
当院では、一般的な歯の病気の治療だけでなく、このような歯を支える歯周組織の状態を回復させる治療も積極的に行っています。
歯周基本治療を行っても症状が改善しない場合に、歯肉を切開してめくり、深い歯周ポケットに残存しているプラークや歯石などを除去する外科的処置がフラップ手術です。
感染している病変部や原因となっている歯石を、直接目で見て確実に取り除くことで深い歯周ポケットを改善し、清掃しやすい環境を作ります。
通常、手術日の1~2週間後に抜糸をします。抜糸から3〜4カ月後に歯周病の検査を行い再評価します。そこで歯周ポケットの改善が認められれば、その後はメインテナンスに移行します。
クラウンレングスニングとは、歯冠延長術とも呼ばれる歯茎の処置の治療法です。
むし歯が進んで歯茎の上に出ている歯の部分(歯冠)がほとんど無くなって、歯の根(歯根)の方までむし歯がすすみ、歯茎が覆いかぶさった状態になってしまうと、通常のむし歯治療では、歯に土台が作れないため、抜歯になります。
しかし、クラウンレングスニングで、歯茎を少し下げて、歯茎の下にある根を露出させると、露出した根に土台を立てることが可能になるので、抜歯しないで被せ物を作ることが出来るのです。
歯の根自体を矯正力で引っ張り出すエクストルージョンとの違いは、主に適応症の違いです。
溶けて不整な形態になった歯槽骨を造成することも可能です。骨が作られることで歯ぐきが盛り上がり、ブラッシングがしやすくなります。適切なブラッシングができれば、プラーク(歯垢)も溜まりにくくなり、結果として歯周病の進行や再発のリスクを抑えることができます。また、骨が溶けると歯ぐきの位置が下がり、歯が長く見えてしまうことがありますが、このような見た目の問題も、骨が作られると歯ぐきが再び盛り上がるため改善します。
長年使用されている顆粒状の骨補填材で、歯周病による骨欠損部位の骨再生が期待できます。世界的に広く使用されており、日本においても厚生労働省により、医療材料としての安全性と有効性が認められています。自家骨(ご自身の骨)を使用できないケースや、骨のボリュームを大幅に増やしたり、維持したりしたい症例に適応します。
患部を彼覆する2層構造の吸収性コラーゲン膜です。骨補填材とともに歯槽骨欠損部分に使用することで、骨再生や血管新生の促進が期待できます。骨補填材による骨再生をサポートする役割を担います。
歯槽骨欠損部分に使用することで、骨再生の促進が期待できます。
リグロス(一般名:トラフェルミン)は、塩基性線維芽細胞増殖因子(傷を治したり、血管を作ったりする成長因子)を八工的に精製した歯周組織再生薬です。成長肉子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の周囲にある細胞を増やし、さらに血管を作って細胞に栄養を送り込みます。これらの作用により歯槽骨などの歯周組織が再生されます。
リグロスの成分は、すでにやけどや床ずれなどの治療薬として使用されています。保険適用の歯周組織再生療法で、手術方法はエムドゲインとほぼ同じです。
これら歯周組織再生療法の術後は、患部の確認やケアを月1〜2回の頻度で定期的に行い、6カ月ほど経過を観察したあとに歯周組織の再検査および再評価を行います。健康な歯周組織を取り戻すまで、数カ月から1年程度かかります(この期間は個人差があり、歯周病の程度によって異なります)。